養父医者(やぶいしゃ)

「ヤブ医者」という名詞は良いイメージはないと思います。

今回はこの「ヤブ医者」について少し書きます。

松尾芭蕉の弟子だった森川許六の「風俗文選」に書いてあるのが有力かと言われています。

もともと養父医者というのは但馬国(現在の兵庫県北部)の養父市(やぶし)にいた名医の事を言っているそうです。


その名医は「死んだ人も蘇らせる」と言われたほどの腕の持ち主。

また治療で得た糧を貧しい人への薬代にするなど、人格も多くの人に慕われていました。

そしてあまりにも有名になりすぎた評判で便乗する人が増えてきました。

「自分は養父市から来た医者だ」と言って治療する人も増えてきたそうです。


誰もが養父医者と言うようになって、価値が落ちて行き今の腕の悪い人が「ヤブ医者」と呼ばれる様になったと言われています。

※諸説あり


語源を調べると色々な事がわかってきますね!

葛根湯医者

落語の枕噺に「葛根湯医者」という言葉があります。


町の衆がやってきて

「先生、今朝ほどから頭が痛てーですが」と訴えると先生は

「頭痛だな。葛根湯をあげるから煎じて飲みなさい」

また別の患者が付き添われてやって来て

「先生、夕べっから腹くだしが始まってお腹が痛いそうなんですが」すると先生は

「腹痛だな、それでは葛根湯をお上がり。そちらの方は?」

「いえ、私はただの付き添いで来ただけで・・・」すると先生は

「まぁいいから、お前さんも葛根湯をお上がり」というわけで、

この先生はどんな症状の患者さんにも葛根湯を処方した事から「葛根湯医者」という名前を頂戴されたそうです。

では、実際にこの先生は間違っていたのでしょうか?

実は、正解なのです。漢方の法理に基づいて処方をしています。

江戸時代の漢方医学はおもに「古方(こほう)」と言われるもので、今から二千年以上前に完成された「傷寒論(しょうかんろん)」と「金匱要略(きんきようりゃく)」と呼ばれる古典の治療方法に基づいて処方されています。

葛根湯と聞けば「風邪の引き始めに」というイメージがあるかと思います。

実際に、この葛根湯は風邪の引き始めにも使いますが、頭痛・肩こり・腰痛・中耳炎・腰痛・皮膚病など幅広く使います。

もちろん、頭痛だから葛根湯。というわけではないですが。


この一つの処方で幅広い疾患に使用できるのが、東洋医学の素晴らしい点の一つです。

漢方薬を飲まれる際は一度、ご相談下さいね!



甘麦大棗湯

漢方処方で「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」という処方があります。

主に、夜泣症や神経症・てんかん発作の時に使用する事がある処方です。

構成生薬をみると、「甘草大棗小麦」の3つの生薬からできている処方です。この3味ですが、普段お食事等でほとんどの方が食べた事があると思われます。普段から口にする自然の食べ物。その自然の力を使って身体を治そうとしているのが漢方薬です。

自然の力というのは素晴らしいですね。

 

当帰芍薬散~当芍美人~

漢方の診断は「望(ボウ)・聞(ブン)・問(モン)・切(セツ)」という四診で行います。その中でも「望診」は最も重要です。

患者さんの反応の仕方、姿勢、動作、立ち姿、顔色、皮膚の状態などを観察するとともに、全体的なイメージをよく見ます。

じろじろ見られる患者さん側からはちょっと恥ずかしいかもしれませんが、漢方治療をするには若い女性であろうと「なめるように全身をくまなく観察」せざるをえません(誤解のないように)。

この「望診」により、とくに女性三大漢方薬(『当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)』『加味逍遥散(カミショウヨウサン)』『桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)』)はほぼ決まるといっても過言ではありません。

「待てど暮らせど来ぬひとを宵待草のやるせなさ」

とうたわれた竹久夢二氏の、有名な絵画「立田姫」がまさに『当帰芍薬散』の「証(ショウ)」であるため、漢方医はこれを「当芍(トウシャク)美人」と呼び、この薬を使用する目標としました。

すなわち、色白で、顔は面長、柳腰で立ち姿はすっきり、声は優しく耳当たりが心地よく、しぐさがおっとりしている、「ちょっと手を差しのべてあげたくなる日本美人」と漢方医の大家が称したそうですが、こういったイメージが『当帰芍薬散』にぴったりあう「証」なのです。

『当帰芍薬散』は女性の聖薬といわれ、少し虚弱な女性の身体を温め、「水毒(スイドク)」(体内の水のバランスが悪い状態)をとり、月経を整え、痛みを去り、受胎を安んじるといわれます。

「水毒」の症状には、頭痛・めまい・嘔気などがみられることがよくありますから、「当芍美人」は実際にフラフラすることが多いのでしょう。また、この薬は「冷え症」の中でもむくみが出やすい方にも有効です。

みなさんは『当帰芍薬散』の「証」ですか?

「自称、当芍美人」が多く来られるかもしれませんね(笑)。

冬病夏治(とうびょうかじ)

「冬に治しにくい病は、夏に予防・治療する」

という言葉です。


冬の病に冷え性があります。

冷え症は夏に治す。という治療を良くしています。夏の生活習慣・養生などの見直しで冬の冷えが感じなく過ごせる様にします。

その他に、せき・気管支炎・喘息などがあります。

夏の陽気が高まる時に免疫力を高め冬に治しにくい病気を治します。